
1月31日,「ホロコースト記念館」(広島県福山市)研修に参加しました。
岡山県内の高校生たちとともに副館長さんからお話を聴いたと,ボランティアガイドさんに説明していただきながら館内の展示物を見学しました。
「アンネの日記」で知られるアンネ・フランクさんにまつわるものをはじめ,ガス室で殺害された子どもが履いていた靴や子どもたちが遺した詩・絵などの物言わぬ数々の遺品が逆にファシズム(全体主義)やレイシズム(人種主義),ゼノフォビア(排外主義)の狂気と悲惨さを雄弁に物語ってくるような気がしました。
ホロコーストは,70年以上前に遠く離れたヨーロッパで起こったことですが,それは決して過去のよそ事ではありません。日本でも,最近在日コリアンの方々を主な標的としたヘイトスピーチ(ヘイトクライム)が大きな問題になっています。
昨年12月に開催された「中・高生による人権交流集会」でも分科会のテーマとしたところです。
現在でも,ドイツをはじめヨーロッパ諸国の多くの国で掲げることが禁止されているナチスの旗(
ハーケンクロイツ:
Hakenkreuz)を掲げ,ナチス軍歌を流すことや外国人の排斥を訴えることがあると聞きました。
今後,地球上で虐殺等があってはなりません。
生徒の感想にありますが,私たちは,次のことばを胸に刻み,日常生活における様々な問題を深く理解し,学び続ける姿勢を持ちたいものです。
「ただ同情するだけでなく,平和のために何かをする人になってください」
アンネの父親(オットー・フランクさん)
「なぜ人間は,おたがい仲よく平和にくらせないのだろう」
アンネ・フランクさん
<生徒の感想>
私は,実際に行ってみて知らなかったことがいっぱいあったなと思いました。そして,これは現実にこの世界で起きていたことで,そう遠い昔の出来事でもなく,もしかするとこれから先日本でも起こるかもしれないと思い,怖くなりました。
ユダヤ人だということだけで差別され,殺された人々が600万人もいて,そのうち150万人が子どもであるというのを見て,差別は大きくなるとここまで人を殺してしまうものなのかと知り,今,現状で起きている差別も,放っておいてはいけないと思いました。また,おびえた表情の子どもたちの写真や,ホロコースト記念館の象徴でもある子どもの靴,ちょうちょうの詩を見ていたら泣きそうになりました。
戦争とホロコーストは違うものですが,いつも犠牲になるのは罪のない人々です。子どもには政治家を決める力もなく,何も悪いこともしていないのに,一番ひどい目に遭うのは子どもです。
自分には何ができるか考えてみても,できることが見当たりません。でも多分もっと知ることが大事だと思うので,もっと勉強したいです。
ホロコースト記念館Webサイト(URLをコピー&ペーストしてください)
http://www.urban.ne.jp/home/hecjpn/